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Lectures and Seminars

講義と演習


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岡山大学 文学部/大学院社会文化科学研究科

美学演習「ジャック・ランシエールと現代の美学」(学部・後期月曜3限)
今日の芸術は、社会活動・政治問題・産業経済・科学技術などの他領域にも浸透しながら、その表現領域をますます広げてきています。それに並行して、「感性的認識についての学問」として誕生した美学もまた大きく変化し、なかでも倫理や政治といった分野と交差しはじめています。本演習では、現代フランスの哲学者ジャック・ランシエールの著書『美学のなかの居心地悪さ』(Malaise dans l'esthétique, 2004)や『解放された観客』(Le spectateur émancipé, 2008)の読解を通じて、その検討をおこないます。

はじめの数回は概説として、ランシエールの哲学、および現代芸術の動向を確認します。そのあとは毎回テクストを英語(ないしフランス語)で読み、日本語訳をしながら、内容について議論をおこないます。

テクストはフランス語ですが、英語訳を使用する予定です(受講者から希望があれば、フランス語原文を使用します)。受講者には適宜、テクストの日本語訳や議論への参加などを求めます。

* 講読したテクスト:Jacques Rancière, "Problems and Transformations in Critical Art" (2004), trans. by Claire Bishop and Pablo Lafuente, in Claire Bishop (ed.), Participation, London-Cambridge, Mass., Whitechapel-MIT Press, 2006.


芸術学概説1「現代芸術の運動と思想」(学部・後期火曜2限)
芸術とはなにか、しかもいまこの時代にとって芸術になんの意味があるのか――この問いかけこそ、今日の芸術がつねに向き合っている問いです。本講義では、この問いかけが本格化した20世紀以降の芸術の運動と思想を概観しながら、「芸術」なるものについての理論的な理解を深めます。とりわけ影響力のあった芸術家や哲学者の言葉を読み、それを作品と照らし合わせながら、講義を進めていきます。

1 導入
2 運動(現代芸術の流れ[1])
3 革新(現代芸術の流れ[2])
4 発見(ベルクソン)
5 直観(クローチェ)
6 現実(オルテガ)
7 技術(ベンヤミン)
8 想像(ブルトン)
9 小括
10 認識(レヴィ=ストロース)
11 社会(アドルノ)
12 解釈(バルト)
13 伝統(アガンベン)
14 世界(グリッサン)
15 総括

「現代芸術の運動と思想」読書案内[PDF]


美学1「アンフォルムの美学」(大学院・後期火曜4限)
現代芸術理論に関する近年の最重要文献の一つ、イヴ=アラン・ボワとロザリンド・クラウスの『アンフォルム』(原著初版1996年)を読解し、批判的に検討します。著者のボワとクラウスは、おもにフランス現代思想の成果を導入しながら、現在のアメリカにおいて現代芸術研究を牽引している美術史家・批評家です。昨年日本語訳された『アンフォルム』を実際に読み、その内容を作品と照らし合わせつつ、授業を進めていきます。

はじめの3回程度は概説として、戦後の現代芸術と批評の動向を確認します。そのあとは毎回テクストを読み、参照されている作品の図版を見て、解説および議論をおこないます。テクストは日本語訳をもちいますので、下記の書籍を各自で入手してください。

教科書:イヴ=アラン・ボワ+ロザリンド・E・クラウス『アンフォルム――無形なものの事典』、月曜社、2011年(3200円+税、ISBN:978-4-901477-78-9)



関西大学 文学部

現代芸術論a(春学期火曜5限)
芸術とはなにか、しかもいまこの時代にとって芸術になんの意味があるのか――この問いかけこそ、現代芸術と呼ばれるものがつねに向き合ってきた、きわめて「現代的な」問いです。もちろん答えはひとつではなく、そのために無数の芸術作品がつくりだされてきましたし、いまなおつくられています。本講義では、この問いかけが本格化した20世紀初頭以来の西洋芸術文化の動向を見ていきます。

春学期ではとくに、現代芸術の「運動」の展開に焦点をあてます。20世紀以降の芸術家たちはしばしば、たんに個々バラバラの作品を制作するというよりも、ひとつの「運動」としてその活動を展開しています。とりわけ影響力のあった芸術運動を取りあげて、講義を進めていきます。

1 導入
2 現代芸術とその運動
3 キュビスム
4 未来派
5 絶対主義と構成主義
6 表現主義
7 ダダ
8 シュルレアリスム[1]
9 シュルレアリスム[2]
10 抽象表現主義/アンフォルメル
11 ネオダダ/ポップ・アート
12 ミニマル・アート
13 コンセプチュアル・アート
14 ランド・アート/環境芸術
15 総括と到達度の確認



京都造形芸術大学 芸術表現・アートプロデュース学科

芸術論研究V「現代アートと批評理論」(通年木曜4講時)
本授業では、創作ノート、エッセイ、インタビュー、批評など、現代の世界の芸術家や批評家が書きしるした言葉を英語で直接読みながら、その内容の分析と検討をおこない、現代アートについての理論的な理解を深めていきます。 どの時代のいかなる場所の芸術であっても、かたわらには言葉を紡ぐ人間(ときには芸術家自身)がいて、その言葉が――つまり理論と批評が――芸術をいっそう豊かなものにしてきました。日本語で「理論」と翻訳される古代ギリシア語の「テオーリア」は、もともとはじっくりと「見る」という意味です。では、現代の芸術家たちはいったいなにを「見て」いるのでしょうか? そしてまた現代アートはわたしたちになにを「見せて」くれるのでしょうか?

最初の数回の授業でまず、現代アートと批評理論についての基礎知識を確認します。そのあとは毎回、芸術家や批評家のテクストを英語で読み、日本語訳をしながら、内容について議論をおこないます。授業の配分やテクストの選定は受講者の関心と知識にあわせて決定します。また受講者には適宜、テクストの日本語訳、発表、議論への参加などを求めます。

* 講読したテクスト:
・Daniel Arasse, "Cindy Sherman's Mirrors," Art press, no.245, 1999, pp.24-30.
・Hal Foster, "September 11 (MoMA PS1, New York)," Artforum, January 2012, pp.210-211.
・Claire Bishop, Lynne Cooke, Tim Griffin, Pierre Huyghe, Pamela M. Lee, Rirkrit Tiravanija, Andrea Zittel, "Remote Possibilities: A Roundtable Discussion on Land Art's Changing Terrain," Artforum, Summer 2005, pp.288-295,366.

「現代アートと批評理論」参考文献[PDF]

美術芸術論V(美術史V)「美学入門」(前期金曜2講時)
本講義では、古代から近代にいたる西洋の思想史を辿りながら、芸術をめぐるさまざまな考え方を歴史的に見ていきます。

人類誕生以来、多くの芸術が生みだされてきましたが、それと同じくらい古くから、人間はその芸術について考え、語りあい、書きしるしてきました。芸術の愉しみは、そうした思想の理解と不可分のものです。なかでも西洋で紡ぎ出された芸術と思想は、今日の世界に決定的な影響を与えています。とりわけ影響力のあった芸術家や思想家の言葉を読み、それを当時の芸術文化と照らし合わせながら、講義を進めていきます。

1 美学(導入[1])
2 芸術(導入[2])
3 真理(プラトン/プロティノス)
4 模倣(アリストテレス)
5 感情(キケロ/偽ロンギノス)
6 記憶(ダマスコスのヨアンネス)
7 物語(オリゲネス/アルベルティ)
8 創造(トマス・アクィナス/フィチーノ)
9 多様(ブルーノ)
10 趣味(グラシアン/ヒューム)
11 歴史(ヴァザーリ/ヘーゲル)

美術芸術論VI(美術史VI)「現代アートと現代哲学」(後期金曜2講時)
芸術とはなにか、しかもいまこの時代にとって芸術になんの意味があるのか――この問いかけこそ、現代アートがつねに向き合ってきた、きわめて「現代的な」問いです。本講義では、この問いかけが本格化した20世紀以来の芸術と哲学の動向を見ていきます。

もちろん「芸術とはなにか」に対する答えはひとつではありません。今日の芸術家はしばしば哲学にその答えを求め、また今日の哲学者は芸術から霊感を得て、そこから新しい作品と思想が無数に紡ぎ出されてきています。芸術と哲学の交流はほかの時代や場所でも見られるものですが、その広範さと緊密さにおいて現代は際立っています。とりわけ影響力のあった芸術家や哲学者の言葉を読み、それを現代の芸術作品と照らし合わせながら、講義を進めていきます。

1 運動(導入[1])
2 革新(導入[2])
3 発見(ベルクソン)
4 直観(クローチェ)
5 現実(オルテガ)
6 技術(ベンヤミン)
7 想像(ブルトン)
8 文化(ヴァールブルク/ヴィント)
9 認識(レヴィ=ストロース)
10 社会(アドルノ)
11 解釈(バルト)
12 伝統(アガンベン)