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Lectures and Seminars

講義と演習


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國學院大學 文学部/大学院文学研究科

基礎演習IIA「レオナルド・ダ・ヴィンチにおける言葉と図像」(学部・前期月曜3限)
美学・芸術学への入門として、西洋ルネサンスの「万能人」レオナルド・ダ・ヴィンチの芸術と思想を検討します。レオナルドは絵画をなによりも「精神的なもの」と捉えましたが、そこには言葉と図像、人間と自然、芸術と思想の関係についての特異な洞察が秘められています。レオナルドの絵画を分析し、手記を読解することで、美学・芸術学研究の基礎を身につけます。あわせて関連文献の読解もおこないます。受講者には、担当分の作品分析と文献読解の報告発表、毎回の議論・グループワークへの参加などを求めます。

教科書:レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』(上下巻)杉浦明平訳、岩波文庫、1954-1958年


美学・芸術学特殊講義IA「現代芸術の運動と理論」(学部・前期月曜5限)
現代における芸術運動の多様な展開を、哲学思想との関係を考慮しつつ、検討します。現代の芸術家は、「芸術とは何か」という根本的な問いに向きあうなかで、しばしば哲学者と応答しあい、たんに個々の作品を制作するばかりでなく、一つの運動としてその活動を展開してきました。とりわけ影響力の大きい芸術運動を取り上げて、その絵画・彫刻・音楽・舞台・映画・写真・文芸等々の作品を考察しながら、講義を進めていきます。受講者には、試験のほか、議論への参加や小論の執筆を求めることがあります。

*講読したテクスト:
・ホセ・オルテガ・イ・ガセット「芸術の非人間化」神吉敬三訳、『芸術論集』(オルテガ著作集第三巻)、白水社、1970年
・ルーシー・R・リパード「美術の非物質化」藤枝晃雄ほか訳、『美術手帖』第369号、1973年7月


美学A「美学史――西洋美学の歴史と理論」(学部・前期水曜1限)
古代から近代にいたる西洋の美学史を辿りながら、美と芸術をめぐる思想の数々を検討します。人類の誕生以来、数え切れないほどの芸術が生み出されてきましたが、それと同じくらい古くから人間はその芸術について考え、語りあい、書きしるしてきました。そのなかで西洋の重要文献を読解し、それを西洋美術史の流れと照らしあわせつつ、講義を進めていきます。受講者には、試験のほか、議論への参加や小論の執筆を求めることがあります。

1 感性――美、芸術
2 模倣――プラトン、プロティノス
3 浄化――アリストテレス
4 感動――キケロ、ロンギノス
5 記憶――旧約聖書、ダマスコスのヨアンネス
6 解釈――オリゲネス、ボナヴェントゥーラ
7 制作――サン・ヴィクトルのフーゴー、トマス・アクィナス
8 装飾――アルベルティ
9 創造――フィチーノ
10 多様――ブルーノ
11 趣味――ヒューム、カント
12 遊戯――シラー
13 歴史――ヴィーコ、ヘーゲル
14 試験
15 総括


比較芸術学特論AIII「美学の今世紀(正)」(大学院・前期金曜3限)
現代美学の動向を「自然、感覚――感性の脱人間化」「社会、身振り――美的文明での生存」「芸術、思考――普遍性の構成」の三つの主題に整理し、〈何か知れぬもの〉としての美の現在を検討します。その際、「人間と動物」「文化と自然」「過去と現在」の三つの問題をとくに考察します。受講者には、リポートのほか、関連文献の読解や毎回の議論への参加などを求めます。


基礎演習IIB「アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』読解」(学部・後期月曜3限)
美学・芸術学への入門として、美術史家アビ・ヴァールブルクが晩年に取り組んだ未完の図版集『ムネモシュネ・アトラス』の読解と検討をおこないます。『ムネモシュネ・アトラス』は、西洋の古代から現代にいたるおよそ1000点の図像を、複数のパネル(現存する最終版の記録写真では63枚)のうえに縦横に配置して、西洋文明の歴史を可視化しようとしたものです。日本語版を手引きに、重要なパネルを一つ一つ検討していくことで、美学・芸術学研究の基礎を身につけます。あわせて、関連文献の読解もおこないます。受講者には、担当分のパネル分析と文献読解の報告発表、毎回の議論・グループワークへの参加などを求めます。

教科書:アビ・ヴァールブルク『蛇儀礼』三島憲一訳、岩波文庫、2008年


美学・芸術学特殊講義IB「ルネサンスの哲学と絵画」(学部・後期月曜5限)
西洋ルネサンスにおける新しい哲学思想の動向を、芸術文化との関係を考慮しつつ、検討します。イタリアを中心にヨーロッパで多彩な芸術が新しく花開いたルネサンスには、哲学もまた「人文主義」(ヒューマニズム)の名のもとに、人間と世界、言葉と学問、社会と歴史、政治と文化についての新たな鋭い洞察をもたらしました。しかもルネサンスの「万能人」たちが象徴するように、このとき哲学は芸術と分かちがたく結びついていました。ルネサンスの重要な哲学者・芸術家たちの言葉を、とくに絵画への言及に注目して読解し、講義を進めていきます。受講者には、試験のほか、議論への参加や小論の執筆を求めることがあります。


美学B「美学史――現代の芸術哲学」(学部・後期水曜1限)
現代の美学史を巡りながら、美と芸術についての思想の数々を検討します。芸術とは何か、今この時代にとって芸術に何の意味があるのか――この問いこそ、現代の芸術がたえず向き合っているものです。芸術は、たとえば幸福の追求として、あるいは社会の鏡として、または真理の探究として、そして病理の治療として、そのつど多面的な相貌を見せます。今日とくに影響力のある哲学者・思想家・芸術家の言葉を読解し、それを具体的な芸術作品と照らしあわせつつ、講義を進めていきます。受講者には、試験のほか、議論への参加や小論の執筆を求めることがあります。

1 現在――近代、現代
2 発見――ベルクソン
3 表現――クローチェ
4 虚構――オルテガ
5 技術――ベンヤミン
6 機械――中井正一
7 想像――ブルトン
8 思考――レヴィ=ストロース
9 社会――アドルノ
10 文化――バルト
11 様式――ソンタグ
12 実験――ドゥルーズ=ガタリ
13 生命――アガンベン
14 試験
15 総括


比較芸術学特論BIII「美学の今世紀(続)」(大学院・後期金曜3限)
現代美学の動向を「自然、感覚――感性の脱人間化」「社会、身振り――美的文明での生存」「芸術、思考――普遍性の構成」の三つの主題に整理し、〈何か知れぬもの〉としての美の現在を検討します。その際、「人間と動物」「文化と自然」「過去と現在」の三つの問題をとくに考察します。受講者には、リポートのほか、関連文献の読解や毎回の議論への参加などを求めます。