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Lectures and Seminars

講義と演習


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□2024年度(令和6年度)

國學院大學 文学部/大学院文学研究科

基礎演習IIA「アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』読解」(学部・前期月曜3限)
美学・芸術学への入門として、美術史家アビ・ヴァールブルクが晩年に取り組んだ未完の図版集『ムネモシュネ・アトラス』の読解と検討をおこないます。『ムネモシュネ・アトラス』は、西洋の古代から現代にいたるおよそ1000点の図像を、複数のパネル(現存する最終版の記録写真では63枚)のうえに縦横に配置して、西洋文明の歴史を可視化しようとしたものです。日本語版を手引きに、重要なパネルを一つ一つ検討していくことで、美学・芸術学研究の基礎を身につけます。あわせて、関連文献の読解もおこないます。受講者には、担当分の作品分析の報告発表(受講者数にもよるがグループ発表の予定)、毎回の議論・グループワークへの参加などを求めます。

教科書:アビ・ヴァールブルク『蛇儀礼』三島憲一訳、岩波文庫、2008年


美学・芸術学特殊講義IA「ジョルダーノ・ブルーノを読むアビ・ヴァールブルク」(学部・前期月曜5限)
美術史家アビ・ヴァールブルクが晩年に取り組んだ、ルネサンスの哲学者ジョルダーノ・ブルーノに関する未完の研究を再構成し、ルネサンスから現代をつなぐ想像力論の系譜として考察をおこないます。それとともに、「社会的記憶」としてのイメージの理論を構想します。受講者には、試験のほか、関連文献の読解や毎回の議論への参加を求めます。


美学A「西洋美学史」(学部・前期水曜1限)
古代から近代にいたる西洋の美学史を辿りながら、美と芸術をめぐる思想の数々を検討します。人類の誕生以来、数え切れないほどの芸術が生み出されてきましたが、それと同じくらい古くから人間はその芸術について考え、語りあい、書きしるしてきました。そのなかで西洋の重要文献を読解し、それを西洋美術史の流れと照らしあわせつつ、講義を進めていきます。受講者には、論述試験のほか、毎回の議論への参加や発言を求めます。

1 感性――美、芸術
2 模倣――プラトン、プロティノス
3 浄化――アリストテレス
4 感動――キケロ、ロンギノス
5 記憶――旧約聖書、ダマスコスのヨアンネス
6 解釈――オリゲネス、ボナヴェントゥーラ
7 制作――サン・ヴィクトルのフーゴー、トマス・アクィナス
8 均斉――アルベルティ
9 創造――フィチーノ
10 多様――ブルーノ
11 趣味――ヒューム、カント
12 遊戯――シラー
13 歴史――ヴィーコ、ヘーゲル
14 試験
15 総括

教科書:井奥陽子『近代美学入門』、ちくま新書、2023年


比較芸術学特論AIII「人文科学の美学(正)」(大学院・前期金曜4限)
哲学者ミシェル・フーコー(Michel Foucault, 1926-1984)の『言葉と物――人文科学の考古学』(1966)の読解と検討をおこないます。本書で論じられる近代的な「人間」概念の発生と消滅を、美学の観点から再考します。フーコー『言葉と物』は日本語訳をもちいる予定ですが、受講者によってはフランス語原書を使用します。あわせて、関連する研究論文も参照します(受講者により日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語の可能性あり)。受講者には、文献の読解や毎回の議論への参加などを求めます。

教科書:ミシェル・フーコー『言葉と物』渡辺一民・佐々木明訳、新潮社、新装版、2020年


基礎演習IIB「レオナルド・ダ・ヴィンチにおける言葉と図像」(学部・後期月曜3限)
美学・芸術学への入門として、西洋ルネサンスの「万能人」レオナルド・ダ・ヴィンチの芸術と思想を検討します。レオナルドは絵画をなによりも「精神的なもの」と捉えましたが、そこには言葉と図像、人間と自然、芸術と思想の関係についての特異な洞察が秘められています。レオナルドの絵画を分析し、手記を読解することで、美学・芸術学研究の基礎を身につけます。あわせて関連文献の読解もおこないます。受講者には、担当分の作品分析の報告発表(受講者数にもよるがグループ発表の予定)、毎回の議論・グループワークへの参加などを求めます。

教科書:レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』杉浦明平訳、岩波文庫、1954-1958年


美学・芸術学特殊講義IB「ヒューマニズムの系譜学」(学部・後期月曜5限)
西洋ルネサンスに成立した「ヒューマニズム」(人文主義)を美学の観点から再考します。ヒューマニズムの根底には、人間の不定形さ、見かけの不確実さ、言葉の曖昧さについての透徹した洞察があります。それを美学の観点から検討するとともに、あわせて後世への影響と拡散も考察します。受講者には、論述試験のほか、関連文献の読解や毎回の議論への参加を求めます。


美学B「現代美学史」(学部・後期水曜1限)
現代の美学史を巡りながら、美と芸術についての思想の数々を検討します。芸術とは何か、今この時代にとって芸術に何の意味があるのか――この問いこそ、現代の芸術がたえず向き合っているものです。芸術は、たとえば幸福の追求として、あるいは社会の鏡として、または真理の探究として、そして病理の治療として、そのつど多面的な相貌を見せます。今日とくに影響力のある哲学者・思想家・芸術家の言葉を読解し、それを具体的な芸術作品と照らしあわせつつ、講義を進めていきます。受講者には、論述試験のほか、毎回の議論への参加や発言を求めます。

1 現在――近代、現代
2 発見――ベルクソン
3 表現――クローチェ
4 虚構――オルテガ
5 技術――ベンヤミン
6 機械――中井正一
7 想像――ブルトン
8 思考――レヴィ=ストロース
9 社会――アドルノ
10 文化――バルト
11 様式――ソンタグ
12 実験――ドゥルーズ=ガタリ
13 生命――アガンベン
14 試験
15 総括


比較芸術学特論BIII「人文科学の美学(続)」(大学院・後期金曜4限)
哲学者ミシェル・フーコー(Michel Foucault, 1926-1984)の『言葉と物――人文科学の考古学』(1966)の読解と検討をおこないます。本書で論じられる近代的な「人間」概念の発生と消滅を、美学の観点から再考します。フーコー『言葉と物』は日本語訳をもちいる予定ですが、受講者によってはフランス語原書を使用します。あわせて、関連する研究論文も参照します(受講者により日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語の可能性あり)。受講者には、文献の読解や毎回の議論への参加などを求めます。

教科書:ミシェル・フーコー『言葉と物』渡辺一民・佐々木明訳、新潮社、新装版、2020年



東京大学 文学部/大学院人文社会系研究科

美学史講義II/ルネサンス人文主義の美学的諸問題(秋学期火曜4限)
ルネサンス期ヨーロッパを席巻した人文主義(ヒューマニズム)の動向を、美学の観点から再考します。ルネサンス人文主義の根底には、人間の不定形さ、見かけの不確実さ、言葉の曖昧さについての透徹した洞察があり、それを感性的人間の諸相を照らし出すものとして検討します(とくにヴァッラ、アルベルティ、レオナルド、クザーヌス、エラスムス、ブルーノ、モンテーニュらを取り上げます)。あわせて、その後世への影響と拡散の諸系譜も考察します(おもに近世のスピノザとライプニッツ、近代のニーチェとヴァレリー、現代のフーコーとセールに注目します)。受講者には、レポートのほか、関連文献の読解や毎回の議論への参加を求めます。