The Passing : Lectures and Seminars


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Lectures and Seminars

講義と演習


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□2013年度
2012年度
□2013年度(平成25年度)

岡山大学 文学部/大学院社会文化科学研究科

英語(文学部)「哲学者の芸術批評を読む」(教養・前期月曜2限)
この授業では,現代の代表的な芸術雑誌『Artforum』や『Art press』などに掲載された哲学者による芸術批評を英語で読んでいきます。哲学者が芸術を論じることは古くからあり,今日でもたとえばアーサー・ダントー,ジャック・ランシエール,エリー・デューリングといった哲学者が積極的に芸術批評を手掛けています。それを読むことをとおして,哲学・芸術の基礎知識と文献読解の作法を学びます。

初回(場合によっては数回ほど)は概説として,現代の哲学と芸術の動向を確認します。そのあとは毎回テクストを英語で読み,日本語訳をしながら,内容について議論をおこないます。受講者には適宜,テクストの日本語訳や議論への参加などを求めます。

* 講読したテクスト:
・Elie During, "Architecturing Movement: Masaki Fijihata," Art press, no.395, 2012, pp.50-56.
・Hal Foster, "September 11 (MoMA PS1, New York)," Artforum, January 2012, pp.210-211.

* 参照したテクスト:
・今村仁司『現代思想の系譜学』、筑摩書房、1986年/ちくま学芸文庫、1993年
・藤幡正樹「「フィールドワークス」とパラレル・リアリティ」、東京藝術大学先端芸術表現科編『先端芸術宣言!』所収、岩波書店、2003年
武田宙也「ポイエーシスとプラクシスのあいだ――エリー・デューリングのプロトタイプ論」、『REPRE――表象文化論学会ニューズレター』第18号、2013年5月
・田中純「アウシュヴィッツからの呼びかけ――悪夢への目覚め」、『死者たちの都市へ』所収、青土社、2004年
・岡本源太「囚われの身の想像力と解放されたアナクロニズム――イメージ論の問題圏」、『現代思想』第41巻第1号、2013年1月、171-177頁

「哲学者の芸術批評を読む」読書案内[PDF]


芸術学演習「アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』読解」(学部・前期火曜2限)
美術史家アビ・ヴァールブルクが晩年に取り組んだ未完の図像集『ムネモシュネ・アトラス』の読解と検討をおこないます。『ムネモシュネ・アトラス』は,西洋の古代から現代にいたるおよそ1000点の図像を,複数の黒地パネル(現存する最終版の記録写真では63枚)のうえに縦横に配置して,西洋文化の歴史を可視化しようとしたものです。昨年に刊行された日本語版を手引きに,重要なパネルを一つ一つ検討していきます。

はじめの数回の授業は,ヴァールブルクとその『ムネモシュネ・アトラス』に関する概説をおこない,基礎知識を確認します。そのあとは毎回,受講者が各自に割り当てられたパネルの分析結果を報告し,考察と議論をおこないます。受講者には適宜,担当分のパネル分析報告や,毎回の議論への参加などを求めます。

* 分析したパネル:30, 39, 40, 41, 41a, 45, 46, 47, 48, 49, 53, 55, 56.

* 参照したテクスト:
・アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』、ありな書房、2012年
茂木博「A.ヴァールブルクの「文化学」について」、『哲学』第68集、慶應義塾大学、1978年、27-49頁
・田中純「イメージの系統樹――アビ・ヴァールブルクのイコノロジー」、中尾央・三中信宏編『文化系統学への招待――文化の進化パターンを探る』所収、勁草書房、2012年

「アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』読解」参考文献[PDF]


現代芸術と哲学(教養・前期火曜3限)
この授業では,20世紀以降の芸術文化と哲学思想の交流に眼を向けつつ,現代における芸術のさまざまな在り方を概観します。20世紀以降の芸術家たちは,「芸術とはなにか」という根本的な問いに向き合うなかでしばしば哲学者たちと対話を繰り広げ,たんに個々の作品を制作するだけでなく,ひとつの運動として活動を展開してきました。とりわけ影響力のあった芸術運動を取りあげて,その作品の数々を検討しながら,講義を進めていきます。

1 導入
2 芸術の近代と現代
3 キュビスム
4 未来主義
5 絶対主義と構成主義
6 表現主義
7 ダダ
8 シュルレアリスム
9 小括
10 抽象表現主義/アンフォルメル
11 ネオダダ/ポップ・アート
12 ミニマル・アート
13 コンセプチュアル・アート
14 ランド・アート/環境芸術
15 総括

「現代芸術と哲学」読書案内[PDF]


美学演習1「ジョルダーノ・ブルーノとルネサンスの美学」(大学院・前期火曜4限)
美学演習2「ジョルダーノ・ブルーノとルネサンスの美学(続)」(大学院・後期火曜4限)
美術史家ロベール・クラインがルネサンス美学の極北に位置づけたジョルダーノ・ブルーノ『紐帯一般について』(De vinculis in genere, ca.1591)を中心にして,ルネサンスの芸術論の再考をおこないます。ルネサンス期ヨーロッパの原典テクスト(受講者の希望にあわせて各国語訳も使用)の読解を主軸にしつつ,重要研究文献の講読や,受講者による研究報告なども交えます。

初回(場合によっては数回ほど)は概説として,西洋ルネサンスの芸術と哲学に関する基礎知識を確認します。そのあとは毎回テクストを読み,日本語訳をしながら,内容について議論をおこないます。受講者には適宜,テクストの日本語訳や議論への参加,あるいは研究報告などを求めます。

講読テクストはこちらで用意します。参考文献は授業中に適宜紹介しますが,ジョルダーノ・ブルーノの美学については以下の第五章・第六章で論じてあります。
参考書:岡本源太『ジョルダーノ・ブルーノの哲学――生の多様性へ』,月曜社,2012年(3800円+税、ISBN:978-4-901477-92-5)

* 講読した原典テクスト:
・Giordano Bruno, A general account of bonding, trans. by Richard J. Blackwell, in Cause, Principle and Unity, and Essays on Magic, Cambridge, Cambridge University Press, 1998.
・ジローラモ・カルダーノ「一について」榎本恵美子訳、榎本恵美子『天才カルダーノの肖像』所収、勁草書房、2013年

* 講読した研究テクスト:
・レンサレアー・W・リー「詩は絵のごとく――人文主義絵画論」森田義之・篠塚二三男訳、中森義宗編『絵画と文学』所収、中央大学出版部、1984年
西村清和「物語る絵のナラトロジー」、『美学芸術学研究』第23号、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部美学芸術学研究室、2005年、1-28頁
・岡本源太「ルネサンスの芸術論と時間の問題――アルベルティからジョルダーノ・ブルーノまで」、『美学』第64巻1号(242号)、美学会、2013年6月、15-25頁
・ジャン・スタロバンスキー「想像力概念の歴史的道標」調佳智雄訳、『活きた眼II――批評の関係』所収、理想社、1973年
・Davide Stimilli, The Face of Immortality: Physiognomy and Criticism, New York, State University of New York Press, 2005.


美学講義「美学の歴史と理論」(学部・後期月曜3限)
人類誕生以来,数知れないほどの芸術が生みだされてきましたが,それと同じくらい古くから人間はその芸術について考え,語りあい,書きしるしてきました。本講義では,古代から近代にいたる西洋の思想を概観しながら,「芸術」なるものをめぐるさまざまな考え方を歴史的に見ていきます。歴史的に重要なテクストを読み,西洋美術の展開も確認しつつ,講義を進めていきます。

1 導入
2 美学
3 古代(西洋美術の流れ[1])
4 真理(プラトン/プロティノス)
5 模倣(アリストテレス)
6 感情(キケロ/偽ロンギノス)
7 中世(西洋美術の流れ[2])
8 記憶(ダマスコスのヨアンネス)
9 物語(オリゲネス/アルベルティ)
10 創造(トマス・アクィナス/フィチーノ)
11 近代(西洋美術の流れ[3])
12 多様(ブルーノ)
13 趣味(グラシアン/ヒューム)
14 歴史(ヴァザーリ/ヘーゲル)
15 総括


美学2「アンフォルムの美学(続)」(大学院・後期月曜5限)
現代芸術理論に関する近年の最重要文献の一つ,イヴ=アラン・ボワとロザリンド・クラウスの『アンフォルム』(原著初版1996年)を読解し,批判的に検討します。著者のボワとクラウスは,おもにフランス現代思想の成果を導入しながら,現在のアメリカにおいて現代芸術研究を牽引している美術史家・批評家です。一昨年日本語訳された『アンフォルム』を実際に読み,その内容を作品と照らし合わせつつ,授業を進めていきます。

はじめの3回程度は概説として、戦後の現代芸術と批評の動向を確認します。そのあとは毎回テクストを読み、参照されている作品の図版を見て、解説および議論をおこないます。テクストは日本語訳をもちいますので、下記の書籍を各自で入手してください。

教科書:イヴ=アラン・ボワ+ロザリンド・E・クラウス『アンフォルム――無形なものの事典』,月曜社,2011年(3200円+税,ISBN:978-4-901477-78-9)


芸術学概説1「現代芸術の運動と思想」(学部・後期火曜2限)
芸術とはなにか,しかもいまこの時代にとって芸術になんの意味があるのか――この問いかけこそ,今日の芸術がつねに向き合っている問いです。本講義では,この問いかけが本格化した20世紀以降の芸術の運動と思想を概観しながら,「芸術」なるものについての理論的な理解を深めます。とりわけ影響力のあった芸術家や哲学者の言葉を読み,それを作品と照らし合わせつつ,講義を進めていきます。

1 導入
2 運動(現代芸術の流れ[1])
3 革新(現代芸術の流れ[2])
4 発見(ベルクソン)
5 直観(クローチェ)
6 現実(オルテガ)
7 技術(ベンヤミン)
8 想像(ブルトン)
9 小括
10 認識(レヴィ=ストロース)
11 社会(アドルノ)
12 解釈(バルト)
13 伝統(アガンベン)
14 世界(グリッサン)
15 総括

「現代芸術の運動と思想」読書案内[PDF]