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Lectures and Seminars

講義と演習


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岡山大学 文学部/大学院社会文化科学研究科

美学演習1「無意識の美学」(大学院・前期月曜3限)
美術史家のメイヤー・シャピロとユベール・ダミッシュの往復書簡を読み、芸術研究の方法と意義について考えます。あわせて,関連する哲学者・美学者・美術史家の文献も検討します(受講者にあわせて日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語文献を使用します)。

初回(場合によっては数回ほど)は概説として,美学・美術史学・精神分析に関する基礎知識を確認します。そのあとは毎回文献を講読し,関連する哲学文献や芸術作品も検討しつつ,内容について議論をおこないます。シャピロとダミッシュの往復書簡は英語版をもちいます。関連する文献読解および作品分析の報告,外国語文献の翻訳,議論への参加などを求めます。


高年次教養「トマス・モア『ユートピア』読解」(教養・第1学期月曜7・8限)
トマス・モア『ユートピア』の読解をおこない、あわせて関連するルネサンス期の哲学・文学・芸術を分析します。ヨーロッパではルネサンス以降、モア『ユートピア』を嚆矢として、理想の社会に関する多様な議論が「別世界」のイメージをとって展開されました。明に暗に現実世界を映し出すそのイメージを検討することで、現実がいかに虚構に映され、また虚構がいかに現実を変えるのかを考察します。

1. 導入
2. 理想の国、虚構の国
3. 世界のイメージ
4. トマス・モア
5. 人生と演劇
6. ルネサンス時代、大航海時代
7. 怪物、野蛮人、ユートピア人
8. 羊と泥棒
9. 犯罪と刑罰
10. 「もっと社会の現実生活に合った哲学」
11. 旅行記と地図
12. 島、街
13. 虚構と現実
14. 総括

教科書:トマス・モア『ユートピア』,中公文庫,1993年


実践演習(美学)「アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』読解」(学部・第2学期月曜7・8限および水曜1・2限)
美術史家アビ・ヴァールブルクが晩年に取り組んだ未完の図像集『ムネモシュネ・アトラス』の読解と検討をおこないます。『ムネモシュネ・アトラス』は,西洋の古代から現代にいたるおよそ1000点の図像を,複数の黒地パネル(現存する最終版の記録写真では63枚)のうえに縦横に配置して,西洋文化の歴史を可視化しようとしたものです。日本語版を手引きに,重要なパネルを一つ一つ検討していきます。

はじめの数回の授業は,ヴァールブルクとその『ムネモシュネ・アトラス』に関する概説をおこない,基礎知識を確認します。そのあとは毎回,受講者が各自に割り当てられたパネルの分析結果を報告し,考察と議論をおこないます。あわせて重要な研究文献の読解もおこないます(日本語文献を主としますが,受講者にあわせてドイツ語・英語・フランス語・イタリア語文献を取りあげる場合もあります)。受講者には適宜,担当分のパネル分析と文献読解の報告,外国語文献の翻訳,毎回の議論への参加などを求めます。


現代芸術と哲学(教養・第3学期火曜3・4限)
この授業では,20世紀以降の芸術文化と哲学思想の交流に眼を向けつつ,今日における「芸術」の多様な在り方を歴史的に概観します。現代の芸術家たちは,「芸術とはなにか」という根本的な問いに向き合うなかでしばしば哲学者たちと対話を繰り広げ,たんに個々の作品を制作するだけでなく,ひとつの運動として活動を展開してきました。とりわけ影響力のあった芸術運動を取りあげて,その絵画・彫刻・音楽・舞台・映画・写真・文芸等の作品を検討しながら,講義を進めていきます。

1 導入
2 芸術の近代と現代
3 表現主義
4 キュビスム
5 未来主義
6 構成主義/絶対主義
7 ダダ
8 シュルレアリスム
9 小括
10 抽象表現主義/アンフォルメル
11 ネオダダ/ポップ・アート
12 ミニマル・アート
13 コンセプチュアル・アート
14 ランド・アート/環境芸術
15 総括


美学演習2「無意識の美学(続)」(大学院・後期月曜3限)
美術史家のメイヤー・シャピロとユベール・ダミッシュの往復書簡を読み、芸術研究の方法と意義について考えます。あわせて,関連する哲学者・美学者・美術史家の文献も検討します(受講者にあわせて日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語文献を使用します)。

初回(場合によっては数回ほど)は概説として,美学・美術史学・精神分析に関する基礎知識を確認します。そのあとは毎回文献を講読し,関連する哲学文献や芸術作品も検討しつつ,内容について議論をおこないます。シャピロとダミッシュの往復書簡は英語版をもちいます。関連する文献読解および作品分析の報告,外国語文献の翻訳,議論への参加などを求めます。


人文学概説(美学2)「現代の芸術哲学」(学部・第3・4学期火曜5・6限)
芸術とはなにか,しかもいまこの時代にとって芸術になんの意味があるのか? この問いかけこそ,今日の芸術がつねに向き合っている問いです。芸術は,たとえば幸福の追求として,あるいは真理の探究として,または社会の鏡として,そして病理の治療として,そのつど多面的な相貌を見せます。本講義では,芸術とはなにかという問いかけが本格化した20世紀以降の芸術と哲学を概観しながら,「芸術」なるものについての理論的な理解を深めます。とりわけ影響力のあった芸術家や哲学者の言葉を読み,それを具体的な絵画・彫刻・音楽・舞台・映画・写真・文芸等の作品と照らし合わせつつ,講義を進めていきます。

第3学期
1 発見――ベルクソン
2 直観――クローチェ
3 虚構――オルテガ
4 技術――ベンヤミン
5 集団――中井正一
6 想像――ブルトン
7 文明――ヴァールブルク

第4学期
1 認識――レヴィ=ストロース
2 社会――アドルノ
3 解釈――バルト
4 実験――ドゥルーズ
5 環境――ガタリ
6 世界――多木浩二
7 生命――アガンベン


美学1「余生の美学」(大学院・後期火曜4限)
マッシモ・カッチャーリ『死後に生きる者たち――〈オーストリアの終焉〉前後のウィーン展望』を読解し,関連する哲学者・美学者・美術史家の文献も検討します(受講者にあわせて日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語文献を使用することがあります)。

初回(場合によっては数回ほど)は概説として,19世紀末葉から20世紀初葉にかけての美学・美術史に関する基礎知識を確認します。そのあとは毎回文献を講読し,関連する哲学文献や芸術作品も検討しつつ,内容について議論をおこないます。

教科書:マッシモ・カッチャーリ『死後に生きる者たち――〈オーストリアの終焉〉前後のウィーン展望』』、みすず書房、2013年