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□2026年度(令和8年度)
國學院大學 文学部/大学院文学研究科
美学・芸術学特殊講義IA「ブルーノからスピノザにいたる感情と想像」(学部・前期火曜1限)
ジョルダーノ・ブルーノとバルーフ・デ・スピノザの感情論および想像力論を、美学の観点から考察します。ブルーノとスピノザの哲学の類似性はつとに指摘され、とりわけドイツ観念論の汎神論論争において重要な論点になりました。とはいえ、彼らの関係性についてはおもに形而上学や自然哲学を焦点にして議論されてきており、その感情論や想像力論についてはいまだ再考の余地があります。彼らはともに人間社会の基盤としての感情と想像を重視し、そこから特異な宗教論や政治論を展開しました。マキアヴェッリやベールやトーランドなど、ブルーノとスピノザのあいだをつなぐ哲学者たちも参照しつつ、その感情論と想像力論の美学的意義を検討します。受講者には、論述試験のほか、関連文献の読解や議論への参加、美術館調査などを求めます。
基礎演習IIA「アラン『芸術の体系』読解」(学部・前期火曜2限)
美学・芸術学への入門として、アラン『芸術の体系』を講読します。人間は想像力と身体を使って、絵画に音楽、舞踊から文学まで、実にさまざまな芸術を作り出します。しかし、いったいなぜ、なんのために、人間は芸術を創造するのでしょうか。「プロポ」と呼ばれる独自のエッセイ・スタイルで、『幸福論』を初めとする数々の哲学の名文を執筆したアランとともに考えていきます。前期の演習では、『芸術の体系』から「創造的想像力」「ダンスと装飾」「詩と雄弁」「音楽」「演劇」の章を取り上げます。『芸術の体系』は長谷川宏訳をもちいますが、受講者にあわせてフランス語原書を参照することもあります。受講者には、読解の報告発表や小論文の執筆、議論への参加と発言を求めます。
教科書:アラン『芸術の体系』長谷川宏訳、光文社古典新訳文庫、2008年
美学A「西洋美学史」(学部・前期水曜1限)
古代から近代にいたる西洋の美学史を辿りながら、美と芸術をめぐる思想の数々を検討します。人類の誕生以来、数え切れないほどの芸術が生み出されてきましたが、それと同じくらい古くから人間はその芸術について考え、語りあい、書きしるしてきました。そのなかで西洋の重要文献を読解し、それを西洋美術史の流れと照らしあわせつつ、講義を進めていきます。受講者には、最終回での論述試験のほか、毎回の論述課題や議論への参加、また美術館調査を求めます。
1 感性――美、芸術
2 模倣――プラトン、プロティノス
3 浄化――アリストテレス
4 感動――キケロ、ロンギノス
5 記憶――旧約聖書、ダマスコスのヨアンネス
6 解釈――オリゲネス、ボナヴェントゥーラ
7 制作――サン・ヴィクトルのフーゴー、トマス・アクィナス
8 均斉――アルベルティ
9 創造――フィチーノ
10 多様――ブルーノ
11 趣味――ヒューム、カント
12 遊戯――シラー
13 歴史――ヴィーコ、ヘーゲル
14 試験
教科書:井奥陽子『近代美学入門』、ちくま新書、2023年
美学・芸術学特殊講義IB「アルベルティの美学とルネサンスの芸術」(学部・後期火曜1限)
ルネサンスの「万能人」として知られるレオン・バッティスタ・アルベルティの思想を、美学の観点から考察します。アルベルティは『絵画論』をはじめとする著作によって以後の西洋の芸術の理論的基礎を築きましたが、そこには美と芸術、言葉と図像、芸術と自然、人間と社会、見かけと虚構、時間と歴史の関係をめぐる特異な洞察が窺えます。ニコラウス・クザーヌスやレオナルド・ダ・ヴィンチ、マルシリオ・フィチーノにジョルダーノ・ブルーノなど、関連するルネサンスの哲学者たち芸術家たちとも照らし合わせながら、検討していきます。受講者には、論述試験のほか、関連文献の読解や議論への参加、美術館調査などを求めます。
基礎演習IIB「アラン『芸術の体系』読解」(学部・後期火曜2限)
美学・芸術学への入門として、アラン『芸術の体系』を講読します。人間は想像力と身体を使って、絵画に音楽、舞踊から文学まで、実にさまざまな芸術を作り出します。しかし、いったいなぜ、なんのために、人間は芸術を創造するのでしょうか。「プロポ」と呼ばれる独自のエッセイ・スタイルで、『幸福論』を初めとする数々の哲学の名文を執筆したアランとともに考えていきます。後期の演習では、『芸術の体系』から「建築」「彫刻」「絵画」「デッサン」「散文」の章を取り上げます。『芸術の体系』は長谷川宏訳をもちいますが、受講者にあわせてフランス語原書を参照することもあります。受講者には、読解の報告発表や小論文の執筆、議論への参加と発言を求めます。
教科書:アラン『芸術の体系』長谷川宏訳、光文社古典新訳文庫、2008年
美学B「現代美学史」(学部・後期水曜1限)
現代の芸術哲学を巡りながら、美と芸術についての思想の数々を検討します。芸術とは何か、今この時代にとって芸術に何の意味があるのか――この問いこそ、現代の芸術がたえず向き合っているものです。芸術は、たとえば幸福の追求として、あるいは社会の鏡として、または真理の探究として、そして病理の治療として、そのつど多面的な相貌を見せます。今日とくに影響力のある哲学者・思想家・芸術家の言葉を読解し、それを具体的な芸術作品と照らしあわせつつ、講義を進めていきます。受講者には、最終回での論述試験のほか、毎回の論述課題や議論への参加、また美術館調査を求めます。
1 現在――近代、現代
2 発見――ベルクソン
3 表現――クローチェ
4 虚構――オルテガ
5 技術――ベンヤミン
6 機械――中井正一
7 想像――ブルトン
8 思考――レヴィ=ストロース
9 社会――アドルノ
10 文化――バルト
11 実験――ドゥルーズ
12 世界――グリッサン
13 生命――アガンベン
14 試験
東京大学 文学部/大学院人文社会系研究科
美学史講義II/ルネサンス人文主義の美学的諸問題(秋学期木曜4限)
ルネサンス期ヨーロッパを席巻した人文主義(ヒューマニズム)の潮流を、美学の観点から再考します。イタリアを中心に新しい多彩な芸術が生まれたこの時期、哲学もまた人文主義の名のもとに人間の不定形さ、見かけの不確実さ、言葉の曖昧さについての透徹した洞察をもたらし、哲学と芸術のあいだに実り多い対話が生まれました。とくに『絵画論』で西洋の近代絵画の理論的基礎を築いた人文主義者レオン・バッティスタ・アルベルティに注目し、ニコラウス・クザーヌスやレオナルド・ダ・ヴィンチ、マルシリオ・フィチーノにジョルダーノ・ブルーノなど、関連するルネサンスの哲学者たち芸術家たちも参照しながら、その美学の意義を考察します。受講者には、レポートのほか、関連文献の読解や毎回の議論への参加を求めます。
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