ジョルジョ・アガンベン(Giorgio AGAMBEN, 1942- イタリア)
政治権力の本質を人間の生からその内在的な歴史性を剥奪することに見て、それに対抗しうる生の形式と様態の存在論を構想している哲学者。
ローマの生まれ。ローマ大学にて哲学を修めたのち、ヴァールブルク研究所やハイデガーのゼミナールなどで研鑽を積む。その後、パリの国際哲学院やヴェローナ大学、ヴェネツィア建築大学などで教鞭を執った。
Il tempo del pensiero, Macerata : Giometti & Antonello, 2022.
『思考の時間』
L'irrealizzabile. Per una politica dell'ontologia, Torino : Einaudi, 2022.
『実現しえないもの――存在論の政治に向けて』
Pinocchio. Le avventure di un burattino doppiamente commentate e tre volte illustrata, Torino : Einaudi, 2021.
『ピノッキオ――二度論評され三度挿絵になった人形の冒険』
La follia di Hölderlin. Cronaca di una vita abitante (1806-1843), Torino : Einaudi, 2021.
『ヘルダーリンの狂気――ある居住生活の年代記(1804-1843)』
Quando la casa brucia, Macerata : Giometti & Antonello, 2020.
『家が焼けるとき』
A che punto siamo? L'epidemia come politica, Macerata : Quodlibet, 2020.
『われわれはどこにいるのか――政治としての疫病』
邦訳『私たちはどこにいるのか? 政治としてのエピデミック』高桑和巳訳、青土社、2021年
Intelletto d'amore (avec Jean-Baptiste Brenet), Macerata : Quodlibet, 2020.
『愛の知性』(ジャン=バプティスト・ブレネとの共著)
Studiolo, Torino : Einaudi, 2019.
『アトリエ』
Il regno e il giardino, Vicenza : Neri Pozza, 2019.
『王国と楽園』
邦訳『王国と楽園』岡田温司、多賀健太郎訳、平凡社、2021年
Homo sacer, Edizione integrale, Macerata : Quodlibet, 2018.
『ホモ・サケル』(全集版)
Creazione e anarchia. L'opera dell'età della religione capitalistica, Vicenza : Neri Pozza, 2017.
『創造とアナーキー――資本主義宗教の時代における作品』
邦訳『創造とアナーキー――資本主義宗教の時代における作品』岡田温司、中村魁訳、月曜社、2022年
Karman. Breve trattato sull'azione, la colpa e il gesto, Torino : Bollati Boringhieri, 2017.
『業――行動、罪、身振りに関する小論』
邦訳『カルマン――行為と罪過と身振りについて』上村忠男訳、みすず書房、2022年
Autoritratto nello studio, Nottetempo, 2017.
『アトリエの自画像』
邦訳『書斎の自画像』岡田温司訳、月曜社、2019年
Che cos'è reale? La scomparsa di Majorana, Vicenza : Neri Pozza, 2016.
『実在とは何か――マヨラナの失踪』
邦訳『実在とは何か――マヨラナの失踪』上村忠男訳、講談社選書メチエ、2018年
Che cos'è la filosofia, Macerata : Quodlibet, 2016.
『哲学とは何か』
邦訳『哲学とは何か』上村忠男訳、みすず書房、2017年
Pulcinella ovvero divertimento per li regazzi in quattro scene, Nottetempo, 2015.
『プルチネッラ、あるいは子供のための四幕のディヴェルティメント』
Gusto, Macerata : Quodlibet, 2015.
『趣味』
L'avventura, Nottetempo, 2015.
『冒険』
Stasis. La guerra civile come paradigma politico, Torino : Bollati Boringhieri, 2015.
『スタシス――政治的パラダイムとしての内戦』
邦訳『スタシス――政治的パラダイムとしての内戦』高桑和巳訳、青土社、2016年
L'uso dei corpi, Vicenza : Neri Pozza, 2014.
『身体の使用』
邦訳『身体の使用――脱構成的可能態の理論のために』上村忠男訳、みすず書房、2016年
Il fuoco e il racconto, Nottetempo, 2014.
『火と物語』
Opus Dei. Archeologia dell'ufficio, Torino : Bollati Boringhieri, 2012.
『オプス・デイ――任務の考古学』
邦訳『オプス・デイ――任務の考古学』杉山博昭訳、以文社、2019年
Altissima povertà. Regole monastiche e forme di vita, Vicenza : Neri Pozza, 2011.
『いと高き貧しさ――修道院規則と生の形式』
邦訳『いと高き貧しさ――修道院規則と生の形式』上村忠男、太田綾子訳、みすず書房、2014年
Nudità, Nottetempo, 2009.
『裸形』
邦訳『裸性』岡田温司、栗原俊秀訳、平凡社、2012年
Il sacramento del linguaggio. Archeologia del giuramento, Bari-Roma : Laterza, 2008.
『言葉の秘跡――宣誓の考古学』
Signatura rerum. Sul metodo, Torino : Bollati Boringhieri, 2008.
『事物のしるし――方法について』
邦訳『事物のしるし――方法について』岡田温司、岡本源太訳、筑摩書房、2011年/ちくま学芸文庫、2019年
Il regno e la gloria, Vicenza : Neri Pozza, 2007.
『王国と栄光』
邦訳『王国と栄光』高桑和巳訳、青土社、2010年
Ninfe, Torino : Bollati Boringhieri, 2007.
『ニンファたち』
La Potenza del pensiero, Vicenza : Neri Pozza, 2005.
『思考の潜勢力』
邦訳『思考の潜勢力』高桑和巳訳、月曜社、2009年
Profanazioni, Nottetempo, 2005.
『涜聖』
邦訳『涜神』上村忠男、堤康徳訳、月曜社、2005年
Lo stato di eccezione, Torino : Bollati Boringhieri, 2003.
『例外状態』
邦訳『例外状態』上村忠男、中村勝己訳、未来社、2007年
L'aperto, Torino : Bollati Boringhieri, 2002.
『開かれ』
邦訳『開かれ』岡田温司、多賀健太郎訳、平凡社、2004年/平凡社ライブラリー、2011年
Il tempo che resta, Torino : Bollati Boringhieri, 2000.
『残りの時』
邦訳『残りの時』上村忠男訳、岩波書店、2005年
Quel che resta di Auschwitz, Torino : Bollati Boringhieri, 1998.
『アウシュヴィッツの残りのもの』
邦訳『アウシュヴィッツの残りのもの』上村忠男、廣石正和訳、月曜社、2001年
Categorie italiane, Venezia : Marsilio, 1996.
『イタリア的カテゴリー』
邦訳『イタリア的カテゴリー』岡田温司、橋本勝雄、多賀健太郎、前木由紀訳、みすず書房、2010年
Mezzi senza fine, Torino : Bollati Boringhieri, 1996.
『目的なき手段』
邦訳『人権の彼方に』高桑和巳訳、以文社、2000年
Homo sacer, Torino : Einaudi, 1995.
『ホモ・サケル』
邦訳『ホモ・サケル』高桑和巳訳、以文社、2003年
Bartleby, Macerata : Quodlibet, 1993.
『バートルビー』
ドゥルーズによる『バートルビー』論のイタリア語訳も収録。邦訳『バートルビー』高桑和巳訳、月曜社、2005年
La comunità che viene, Torino : Einaudi, 1990.
『到来する共同体』
邦訳『到来する共同体』上村忠男訳、月曜社、2012年
Idea della prosa, Milano : Feltrinelli, 1985; Macerata, Quodlibet, 2002.
『散文の理念』
邦訳『散文のイデア』高桑和巳訳、月曜社、2022年
Il linguaggio e la morte, Torino : Einaudi, 1982.
『言葉と死』
邦訳『言葉と死』上村忠男訳、筑摩書房、2009年
La fine del pensiero, Paris : Le Nouveau Commerce, 1982.
『思考の終焉』
邦訳「思考の終わり」高桑和巳訳、『現代思想』2006年6月号
Infanzia e storia, Torino : Einaudi, 1978; nuova edizione, 2001.
『幼年期と歴史』
邦訳『幼児期と歴史』上村忠男訳、岩波書店、2007年
Stanze, Torino : Einaudi, 1977.
『スタンツェ』
邦訳『スタンツェ』岡田温司訳、ありな書房、1998年/ちくま学芸文庫、2008年
L'uomo senza contenuto, Milano : Rizzoli, 1970; Macerata : Quodlibet, 1994.
『中味のない人間』
邦訳『中味のない人間』岡田温司、岡部宗吉、多賀健太郎訳、人文書院、2002年
他言語による独自編集の論文集
『ニンファ その他のイメージ論』、高桑和巳編訳、慶應義塾大学出版会、2015年
L'ombre de l'amour, Paris : Rivages, 2003.
『愛の影』
ヴァレリア・ピアッツァによる論考も収録。
Potentialities, trans. by Daniel Heller-Roazen, Stanford : Stanford University Press, 1999.
『ポテンシャリティーズ』
英語独自の編集による論文集。
Image et mémoire, Paris : Hoëbeke, 1998 ; nouvelle éditon, Paris : Desclée de Brouwer, 2004.
『イメージと記憶』
フランス語独自の編集による論文集。
そのほかの邦訳論文
「『天使』への序論」岡本源太訳、『Nyx』創刊号、2015年
「民主主義概念に関する巻頭言」太田悠介訳、『民主主義は、いま?――不可能な問いへの8つの思想的介入』、以文社、2011年
「装置とは何か」高桑和巳訳、『現代思想』2006年6月号
「記憶の及ばない像」高桑和巳訳、『現代思想』2006年6月号
「もの自体」高桑和巳訳、『現代思想』2006年6月号
「人間の仕事」土肥秀行訳、『ラチオ』第一号、2006年
「例外状態」高桑和巳訳、『現代思想』2004年8月号
「ギー・ドゥボールの映画」高桑和巳訳、『文藝別冊 ゴダール――新たなる全貌』2002年
「絶対的内在」多賀健太郎訳、『現代思想』2002年8月号
「記憶と忘却のうまい使い方について」、トニ・ネグリ『未来への帰還』所収、杉村昌昭訳、インパクト出版会、1999年
「幼年期と歴史」大辻康子訳、『現代思想』1997年11月号
「起源と忘却」安川慶治訳、『現代詩手帖』1997年8月号
「人間と犬は除いて」石田靖夫訳、『現代思想』1996年1月号
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