マッシモ・カッチャーリ(Massimo CACCIARI, 1944- イタリア)
葛藤や断絶によってこそ可能となる調和について、古代ギリシア哲学、中世キリスト教神学、近現代ドイツの芸術や思想などを自在に往き来しながら考察している哲学者。
ヴェネツィアの生まれ。パドヴァ大学にて哲学と美術史を修める。ヴェネツィア建築大学、サン・ラッファエーレ生命健康大学などでなどで教鞭を執った。政治家としても活躍し、国会議員(1976-1983)やヴェネツィア市長(1993-2000, 2005-2010)を務める。
La mente inquieta. Saggio sull'Umanesimo, Torino : Einaudi, 2019.
『不安な精神――ヒューマニズム論考』
Generare Dio, Bologna : il Mulino, 2017.
『神を生むこと』
Labirinto filosofico, Milano : Adelphi, 2014.
『哲学の迷宮』
Il potere che frena, Milano : Adelphi, 2013.
『抑える力』
邦訳『抑止する力――政治神学論』上村忠男訳、月曜社、2016年
Doppio ritratto. San Francesco in Dante e Giotto, Milano : Adelphi, 2012.
『二重の肖像――ダンテとジョットにおける聖フランチェスコ』
Hamletica, Milano : Adelphi, 2009.
『ハムレット的』
Tre icone, Milano : Adelphi, 2007.
『三つのイコン』
Della cosa ultima, Milano : Adelphi, 2004.
『最後のものについて』
La città, Pazzini, 2004.
『都市』
L'Arcipelago, Milano : Adelphi, 1997.
『多島海』
Geo-filosofia dell'Europa, Milano : Adelphi, 1994.
『ヨーロッパの地理哲学』
Dell'inizio, Milano : Adelphi, 1990.
『はじまりについて』
Le forme del fare, Napoli : Liguori, 1989.
『実践の諸形式』
L'Angelo necessario, Milano : Adelphi, 1986.
『必要なる天使』
邦訳『必要なる天使』柱本元彦訳、人文書院、2002年
Icone della legge, Milano : Adelphi, 1985.
『法のイコン』
Adolf Loos e il suo angelo, Milano : Electa, 1981; nuova edizione, 2002.
『アドルフ・ロースとその天使』
Dallo Steinhof, Milano : Adelphi, 1980.
『シュタインホーフから』
邦訳『死後に生きる者たち』上村忠男訳、みすず書房、2013年/抄訳「世紀転換期のウィーン」廣石正和訳、『批評空間』第II期18-20号、22−25号
Crucialità del tempo, Napoli : Liguori, 1980.
『時間の臨界』
Walther Rathenau e il suo ambiente, Bari : Laterza, 1979.
『ヴァルター・ラーテナウとその環境』
Dialettica e crisi del politico, Milano : Feltrinelli, 1978.
『政治の危機と弁証法』
Pensiero negativo e razionalizzazione, Venezia : Marsilio, 1977.
『否定の思考と合理化』
Krisis, Milano : Feltrinelli, 1976.
『危機』
Oikos, con F. Amendolagino, Roma : Officina, 1975.
『オイコス』
Metropolis, Roma : Officina, 1973.
『メトロポリス』
他言語による独自編集の論文集
Wohnen, Denken, Klagenfurt : Ritter, 2002.
『居住、思考』
ドイツ語独自編集による論文集。
Le Dieu qui danse, Paris : Grasset, 2000.
『踊る神』
フランス語独自編集による美学についての論文集。
Déclinaisons de l'Europe, Paris : l'Éclat, 1996.
『ヨーロッパの偏向』
フランス語独自編集による論文集。
Großstadt, Baukunst, Nihilismus, Klagenfurt : Ritter, 1995.
『大都市、建築術、ニヒリスム』
ドイツ語独自編集による論文集。
Architecture and Nihilism, Yale University Press, 1992.
『建築とニヒリスム』
英語独自編集による論文集。
Drân, Paris : l'Éclat, 1992.
『ドラン』
フランス語独自編集による論文集。
Zeit ohne Kronos, Klagenfurt : Ritter, 1986.
『クロノスなき時間』
ドイツ語独自編集による論文集。
そのほかの邦訳論文
「帝国に関する逸脱と三つのローマ」柱本元彦訳、『ラチオ』第二号、2006年
「群島としてのヨーロッパ」八十田博人訳、『現代思想』2002年8月号
「都市の政治哲学をめぐって」田丸公美子、阿部真弓、八十田博人訳、『批評空間』第III期4号、2002年
「シェーンベルク、美学と倫理」『シェーンベルク没後50年』展カタログ、明治学院大学、2001年
「魂の小鳥」柱本元彦訳、『現代思想』1994年10月号
インタヴュー
「必要なものから自由であること──家なし(a-oikos)の形而上学」(阿部真弓によるインタヴュー)、『SITE ZERO/ZERO SITE』第0号、2006年
「マッシモ・カッチャーリ氏へのインタヴュー」(長木誠司によるインタヴュー)、『エクスムジカ』第6号、2002年4月
「アナロジーの論理学」(田中純によるインタヴュー)八十田博人訳、『批評空間』第III期4号、2002年
「エチカとエートス」(小林康夫によるインタヴュー)村松真理子訳、小林康夫、船曳建夫編『知のモラル』東京大学出版会、1996年
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